私たちは例えば「よい姿勢」が大切と考えこれを心がけようとします。
でも「姿勢」が一つの正しい「型」だとしたら、
そこに「うごき」はなく結果的にからだは固まっていくでしょう。
巷で言われる「正しい姿勢」が長続きしない(または続けると痛みが起きる)のは、
うごけずに固めているからです。
例えば私たちは健康のためにと「運動」をします。
生命維持のために全体をいつも使う必要のなくなった現代人に、
実生活とはかけ離れた「運動」は一時の気晴らしになるかもしれません。
しかし「運動」をしていない時は結局は自分の「うごき」を全く考えることなく生活し、
気がつけば必要以上の疲労や気分の落ち込み、
また肩凝りや腰痛等に悩まされます。
また「運動」をより多くした人々は
また違う質の疲労や怪我に習慣的に見舞われているのが現状です。
私たち現代人に必要なのは、
常に自分の「うごき」を意識的にコントロールしていくことです。
「運動」は楽しく良いことでしょう。
しかしその運動している時もそしてしていない時も
自らの「うごき」を考えているかいないか、
然るべき使い方をしているかいないかはとても大切なことなのです。
自らもたらした急速な文明の進化に、
私たち人間は動物としての進化が追いついていないのが現状です。
ですから、本来持ち合わせた<感覚>さえも誤った評価を頻繁に起こしてしまいます。
習慣で「正しい...」「普通..」と思っていることが
<実は間違っている>ということが少なくないのです。
その結果が原因不明の頭痛・肩凝り・腰痛などの痛みや、
何度も同じように繰り返す怪我や、
いつも同じようなパターンで訪れる気分の落ち込み等となって降りかかってきます。
私たちは自分で自分の面倒が見切れていないのです。
アレクサンダーテクニークによって学べる
「<自分>という人間有機体の然るべき動かしかた(使いかた)」は、
後戻りできないこの文明社会を賢く健康に、
いのちを存分に生きるために有効な手段です。
私たちは自らの「うごき」を自ら意識的にコントロールすることで
本当の豊かな生活を過ごすことができるのです。
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