英国王立音楽大学の学長を務めたクラリネット奏者のコリン・ローソンは
以下のような言葉を述べています。
「王立音楽大学において、マインドと身体の優れた「使い方」を持ち合わせている生徒はごくわずかであり、大半の生徒はアレクサンダーテクニークの提供する心身再教育の恩恵に非常に助けられている。」
彼の言うように
アレクサンダー・テクニックを学ぶ人々はしばしばこの術を
「心身再教育」の術だと評します。
わたしのアレクサンダー専用ノートの一冊目一番最初の頁にも
やはり「renew」「再教育」とメモ書きがありました。
++++++++++
さて
わたしたちはこれまで「自分の使いかた」を意識的に学習してきたでしょうか?
たとえば、からだの上手な使いかたを
身近な大人たちに、または学校で習ってきたでしょうか?
立つ、座る、歩く、走る、読む、話すと言った行為において
「こうすれば良いよ」
「こうすれば楽にできるよ」ということを
ほとんどの人はあらためて学んでは来なかったと思います。
「だって、習わなくても自然にできちゃったんだもん」
そうおっしゃる方も大勢いらっしゃることでしょう。
確かにその通りです。
大抵の方にとっては苦労なく…とりあえずは出来ちゃう…ことでしょう。
しかし
誰かは四六時中ひどい肩こりや腰痛に悩まされる人がいたり
誰かは少しでも走れば膝が痛み、楽々と走るなんてとんでもないというかたがいたり
誰かは誰かと話すたびにひどい緊張や声のつまりに悩まされる人がいたり
…にもかかわらず
そんなことがほとんど起きない人がいる。
もしかしたら昨今は、
自分のからだに起こることに悩む人の方が多くを占めているかもしれません。
さて、これはどうしてなのでしょう?
誰かは鍛え方が足りないからだと言います。
誰かは歳のせいだと言います。
誰かは遺伝だから仕様が無いと言います。
誰かは職業病だと言います。
…果たして本当にそうでしょうか。
++++++++++
「いや、習ってこなかったことはないよ。
立つ時は胸を張って。
座ったら脚は閉じて。
歩く時は大股で。
走る時は腿を高く上げて。
読む時は背筋を伸ばして。
話す時は相手の目をよく見て
口を大きく開けるとハッキリと喋れます。」
はい、、、
みなさんも一度は誰かに言われたことがあることでしょう。
「正しいやりかた」として…。
しかし、これで本当に楽に出来るようになった
パフォーマンスが上がったという人はどれだけいるでしょう。
一瞬うまくいったように感じても
長く続けているとどうだったでしょう。
++++++++++
大概の方が「自然に出来る」ことであっても
生来のからだのデザインに逆らわない上手な使いかたを身につけることは
ほとんどまぐれに近いのが現状なようです。
ましてや、演奏・演技・スポーツなどの特殊なパフォーマンスや
パソコン、携帯電話、自動車などの最新機器の使用
掃除、炊事、洗濯における日常の作務においてまで
そのやりかたとそれらの道具の使い方は習って(見様見真似で)知っていても
それをする時の「自分の使いかた」は全くもって
考えることなく、学ぶことなく、ほとんどの方が知らないままです。
それが証拠に、その結果として
…いつの間にか頭痛や肩こりや腰痛に悩まされる
…上手になっているようで疲労は募り、時に痛みや怪我に襲われる
…技術は身についているようでも、いざという時には発揮されない
…頑張って努力はしてるのに、望む結果が得られない
…他人と同じことをしているはずなのに、差が着いてしまう
というケースがたくさんたくさん見うけられます。
++++++++++
わたしたちはたくさんのことを知っています。
そして、たくさんのことをやっています。
ある人は人並み以上の努力をしていることでしょう。
しかしながら
それをしている時の
自分の使いかたを繊細に考えたり
上手な使いかたを学んだりしている人は多いとは言えません。
もし間違ったからだの使い方で何年も何年もからだをうごかしていたとしたら・・・
特に、
「わたしはこれだけ努力しているのに…なかなか望むような結果が出ない」
「痛みやひどい疲れにいろんな方法を試したのに…なかなか根本的には改善されない」
そんな方はぜひ振り返ってみてください。
あなたはご自分の上手な使いかたを知っていますか?
++++++++++
アレクサンダー・テクニックは
自分自身に自分の使いかたを再教育するメソッドです。
自然に、気がつけば、見様見真似で
…身につけてしまった自分の使いかたを
あらためて、意識的に
…実際の人間の持つ構造デザインに出来るだけ逆らわない
使いかたに教育しなおす。
「このテクニックで、ふたたび新しい自分に生まれ変わることができる」
そんな感想をおっしゃるかたもいます。
レッスンで多くの方がその新しい自分に驚かれます。
あまりにも素晴らしい…ご自分自身に感動するのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿